明けない夜はない
駅へ向かう
道の途中で
抱き寄せられて
そのまま頬と耳にキスをされた
こう。
ありがと。
ありがとうね。
奥様が離婚を拒否して
不倫という関係に
私は限界だった
彼も私の辛さを考えると
別れたいと私がいえば
引き止めることはできないと考えていた
愛してるけれど
不倫であることを我慢しながら
続けるのは苦しい
別れるための話し合い
別れようと思った
けれど、できなかった
その帰り道の、彼からのキスと
「ありがとう。」
心に染み入りました。
別々の家に帰ることを思ってでしょう
彼が
疲れたな…
と呟いた
すかさず、
こうが別れ話したから?ごめんね!
と明るくとぼけてみせたけれど
人生に。
って本気の返しをされた
わかってるよ
これまで仕事でもプライベートでも
弱音を吐かなかったあなた
辛いのは私だけでないよね
むしろあなたのほうが大変
奥様との別れ話がこじれて
家に帰っても針のむしろであること。
彼の愛情を取り戻そうと
彼をきつく束縛するようになった奥様。
思い通りにならない人生。
私があなたの妻なら
ゆったりとした夜を過ごして欲しい
経営者ゆえの大変なことも
ご飯を一緒に食べながら
聞いてあげたい
彼の人生を幸せな気持ちで
いっぱいにしてあげたい
そう
あの夜
私は気持ちを再認識しました
そして
明けない夜はない
あの夜があったから
今がある
待っててよかった
彼が頑張ってくれてよかった
彼に出会えたことと
彼が私にしてくれることの
1つひとつが
私にとって大切なプレゼント
私もたくさんプレゼントしたい