ある夜のできごと.2

過去記事をアップ途中なことを忘れて

しまっていました。


麻布十番の夜の帰り道の話。

ある夜のできごと.1の続きです。



以下の記事は以前に書きました。


最近になって、ようやく

あのときの彼の行動には

理由があったことを理解しました。


ありがとう。

私もいつか。彼に。


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彼に乗せてもらったタクシーが

私の家の前に停まった。

今日はここでおしまい。


車から降り、彼を乗せたタクシーが

走り出すのを見送るつもりで振り返ると


ガラス越しに、彼は


「こう」


「あいしてる」


といった。


え?まさか?と思った。

けれどそうだった、はず。


寝る前にお別れ際、なんて?

とたずねたら、

彼はいたくがっかりして


「あいしてる」

だったことを教えてくれた。



はじめて。



これまで好きな気持ちはたくさん

伝えてもらっていた。


彼が私に向けてくれる感情は、いつも

愛にあふれていると思う。

思い出すと、お腹の底から温かく

なってくる感じ。じわじわと…。


彼は私にとって、恋人であり、母であり、

父であり、兄であり、親友であり… 

一言で言い表せないほどの

多様な愛情を注いでくれている。


彼が側にいてくれたら、怖いものはない

ってくらい。


けれども

愛してるは言われたことがなかった。


この関係であるから、けじめとして

彼は愛という言葉を

口にしないのだ、と思っていた。


そして私はそれを好ましく思っていた。


それなのに。

どうしたのかしら。

その日の出来事を振り返っても

彼の愛にあふれた優しさはいつも通り。


彼の中で、私の知らないところで

何かあったのかしら。


何があったかはわからないけれど。


兎に角


彼の口から発せられた、



あいしてる。



だから、


嬉しい気持ち、

戸惑う気持ち、

ちょっと冷静になってしまう気持ち、


を混ぜ合わせたような笑顔になったまま

彼を見送った。




言葉にするほど、

本当に心から愛してくれているのなら…



こういう関係ではないはず。。


と混乱してしまったある夜の独身女。